林業の仕事をしていたときの思い出【木が見えない】
こんにちは、北沢です。
もうすぐ1月が終わりますね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
今日は私が若い頃に勤めていた林業の仕事のエピソードについて書こうと思います。視力0.02(矯正視力0.9)で林業に携わるとこんなことが起きるという一例をご紹介します。
東●電力の下請け時代
20代前半のころ、東●電力の下請けの林業会社に勤めていました。東●電力の鉄塔や送電線保守を目的とした危険木の伐採が主な事業内容です。
危険木というのは、鉄塔や送電線に引っ掛かりそうになったり倒れてくる危険性のある木のことです。この会社で私は、危険木が生えている敷地の地権者への交渉および伐採エリアの調査を担当していました。
交渉業務はとくに問題なく進めることができました。電線の路線図・法務局の公図および登記簿で地権者を調べてアポイントを取り、事情を説明して伐採許可をもらうことが任務でした。いろいろな地権者の方とお会いして、お茶を飲みながら昔話を聞かせてくれる人もいて楽しかった記憶があります。
問題は調査のほうでした。調査業務の主な流れは、鉄塔や送電線に隣接する私有地に入り、伐採の必要がある危険木を発見し、伐採範囲を決め込んでいくというものです。この業務では、遠距離から対象エリアを目視することがポイントになります。巡視路を高台まで歩き、対象エリアを一望できる場所で確認することになります。
当時、裸眼視力2.0の課長と二人で歩くことが多かったのですが、課長が「あの杉の木が・・・」と指をさしても、”その杉の木”が私には見えませんでした。課長には見えているであろう危険木が私には見えないのです。
本来はこの巡視路の段階で危険木の特徴を頭に叩き込んでおかなければなりません。樹種・直径・高さ・形状などを記憶したうえで実際に生えている場所まで歩き、伐採予定を示すテープを括り付けます。
私の場合、巡視路から危険木が目視できないため特徴がわからず、業務に支障をきたしていました。仮にもさまざまな種類の木が生えている現場なら樹種だけでおおまかに判別することができたかもしれませんが、そういう現場はめったにありません。杉が生えている現場は杉しかありません。
こうしたことがあり課長から怒鳴られる日々を過ごしていました。
悔しくて毎晩泣いた
毎日仕事を覚えることに必死でしたが上記のように超えられない壁があると知り、毎晩泣いていました。
『・・・生まれ持った肉体のためになぜこんなに苦しい思いをしなきゃいけないのか。子供のときから視力が弱いことでバカにされたり不便な思いをしてきたのに、大人になって仕事するうえでも苦労しなきゃいけないのか・・・』
その理不尽さゆえにとても悔しかったのです。課長のように2.0の視力が欲しかったと心から思いました。
自分の適性を知った
悔しい日々のなかでも悪い事ばかりではありませんでした。
業務では調査から得られたデータを持ち帰り、事務所で伐採範囲を図面に起こすのですが、私の場合、CADをつかった図面作成で社長から褒めてもらえることが多くありました。
おそらく私自身のなかで活躍できる場所がほしくて無意識的に事務仕事で成果を出そうとしていたのだと思います。
CADをやりはじめてから数年後には社内で一番詳しい人間になっていました。
それからほどなくしてこの会社は退職しましたが、現在でもこのPCスキルが生活の糧になっています。
まとめ
視力のために諦めなくてはいけない職業はあります。
でも他の場所で、活躍することは可能です。
北沢さま
私も小学生の頃から目が悪く、高校生になった今では視力0.02程度です。幸い眼鏡やコンタクトをすれば見えるので生活には困らなかったのですが、私は「裸眼で見えるようになりたい」と思い始め、つい最近親に手術を相談しました。母は「眼鏡で見えてるならしなくていい。100%成功はないんだよ」と大反対。私も怒ってしまいましたが、たった今北沢さまのブログを見つけて一気に記事を読みました。簡単に手術を考えていた自分が浅はかだったことに気づきました…。健康でいられることが1番大事だということをすっかり忘れていました。将来手術はせずに眼鏡とコンタクトを上手く使って生きていきます。
北沢さまのブログは視力が悪い人たちに一度は見てほしいぐらいためになる記事ばかりでした。
ありがとうございます。
北沢さまの目の状態が少しでも良くなるますよう祈っています。
>>猫狐さん、コメントありがとうございます。
お役に立ててよかったです。0.02だと私と同じですね。今までたくさん大変な思いをしてきたのだと存じます。
これからの猫狐さんの長い人生、健康を大切にしていれば楽しい事とたくさん巡り合えるので、これからもどうか大切になさってくださいね。
ご声援こころより感謝申し上げます。
北沢さま
私は学生で視力は北沢さまと同じくらいです。眼鏡とコンタクトがないと生活できないので手術を考えていた時に、たまたまTwitterで「視力 悪い」と検索をかけていたら北沢さまのアカウント、そしてこちらのサイトにたどり着きました。「ICLはレンズを取れば元に戻せる」という言葉の罠に引っかかりそうになっていました。こちらのサイトを読んで良かったです。
レーシックもICLもリスクが高すぎますね…手術は受けずにこれからも眼鏡とコンタクトで生きていきます。
眼鏡はレンズが厚くなってしまうのが恥ずかしくて嫌いだったのですが、最近強度近視用のお洒落な眼鏡が他県で取り扱っていると知って、コロナが少し収まれば買いに行こうと今からワクワクしてます笑
こういった眼鏡を選べることを楽しみながら生活していきます。
北沢さまのアカウント、ブログのおかげで助かりました。お身体に気をつけてください。
>>しゅりさん、コメントありがとうございます。
サ〇アも品〇近視クリニックも手術の本当の危険性は語らず、集客に積極的なのはとても残念に思います。
しゅりさんに合うメガネが無事見つかるといいですね。ふちが太かったりレンズ直径が狭めならレンズの厚みが目立たなくなるようで、私も愛用しています。自分に合うメガネを探すのも楽しみの一つですね。
ご声援こころより感謝申し上げます。
北沢さま
ブログの情報とても参考になっております。北沢さまは普段から眼鏡やコンタクトで視力矯正されていますか?それとも運転する時等だけ眼鏡を掛けて普段は裸眼で過ごしていらっしゃるのでしょうか?視力0.9でも木が目視できなかったのでしょうか?
矯正しても課長のように2.0まで見えるようになる人は少ないと思うので北沢さま以外にも苦労していた社員が居たのではないでしょうか。
仕事には向き不向きがあるので今はご自身の経験を活かせる仕事ができているようで良かったです。
>>にゃんさん、コメントありがとうございます。
普段から眼鏡コンタクトで過ごしています。裸眼視力が0.02なので矯正しないと何も見えない状態です。
木は数キロ先にあるのでマッチ棒くらいの大きさのものが薄っすら見える程度でした。何もないところに一本だけ存在しているのであれば何となくは認識できるものの、その条件下で杉木が一面に広がる森のなか対象を見つけるのは困難を極めました。その業務は社内で課長と私がメインでした。他の社員はどうだったのでしょうね。業務上厳しければ私のように自然と消えていったと思います。仕事の適性は大事だなと痛感しました。